JAXA-x-ワンテーブル「BSFP」HPより

宇宙でも災害時でも、備蓄食の新しいカテゴリー「BSF」

JAXAと(株)ワンテーブルが「BSF=BOSAI SPACE FOOD(防災宇宙食)」を開発、将来は“宇宙日本食”も

 JAXAが、株式会社ワンテーブルと企画・運営を行う「BOSAI SPACE FOOD PROJECT」(BSFP)、その災害備蓄食版「BOSAI SPACE FOOD」(BSF)の第1弾プロトタイプ「BSF1.0」がこのほど、一般向けに提供開始された。

 JAXAの共創型研究開発プログラム「J-SPARC」の一環として、ワンテーブルと企画・運営を行う「BSFP」は、2018年8月末のプロジェクト発表以降、プロジェクトパートナーとして約10の企業や自治体などが参画している。この取組みは、防災分野での新たな事業創出をめざすもので、宇宙と災害時とで共通する食の課題やニーズを掘り起こし、双方が持つ強みを組み合わせ、宇宙でも災害時でも活用できる食の新しいカテゴリー「BSF」の開発に挑戦しようというもの。このほど災害備蓄食として完成させたBSFの第1弾プロトタイプ「BSF1.0」は、水を必要としないゼリータイプで、防災の日でもある去る9月1日から、一部先行販売を開始した。

 今後JAXAは、食やヘルスケア分野におけるアイディア創出・プロトタイピングや社会実装を行うことを目的に、ワンテーブルと株式会社エムエスディが2019年9月に共同で東京都世田谷区に開設する「FROM LIFE LAB.(フロムライフラボ)」をBSFPの事業開発拠点として、このラボを活用しながら、プロジェクトパートナーをはじめとする様々な企業などとの事業開発を加速する。自治体での導入、ヘルスケア、スポーツなどの異なる分野でも有効な新たな製品開発を推進する計画もあり、さらには、“宇宙日本食”といったバラエティの拡大や、将来の宇宙旅行食の開発に向けて、新規参入をめざす企業と協働して活用できるハブ工場や事業プラットフォーム設置の検討も促進するとしている。

 いっぽう、BSFのプロダクト開発、テストマーケティングに加え、JAXAは今後、これまでの宇宙ミッションの経験や知見、「宇宙からの視点」を踏まえ、防災の仕組みの検討や防災意識醸成、ソーシャルパートナーである自治体や宇宙教育関連団体などと防災教育活動を展開、さらには持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた貢献など、地球規模の課題解決も視野に入れて、オープンイノベーション型の事業開発に取り組む方針。

 具体的には、昨年12月、つくば市と連携して市内の小学校で宇宙防災教室を開催するなど、「宇宙×防災の教育プログラム」化を試行的に実施している。また、「防災×宇宙」の視点を交え、防災の可視化や災害に備えるための共通的インフラ(例:防災シミュレーション)などの必要性についても検討中で、検討結果は、世界防災フォーラム(2019年11月9〜12日、仙台市で開 催)で報告予定だ。
>>JAXA:宇宙でも災害時でも活用できる新たな食「BSF1.0」が一般提供開始

〈2019. 09. 19. by Bosai Plus

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