大正大学など研究グループ、天気予報の改善に期待

 立正大学、九州大学、海洋研究開発機構、名古屋大学の共同研究チームは去る6月、2018年1月4日に米国東方海上で発生した「スーパー爆弾低気圧」事例を研究、その発達要因を世界で初めて解明したと発表した。この「爆弾低気圧」は従来の低気圧発達理論では説明できないほどの急発達を遂げ、暴風や大雪となって甚大な被害をもたらした。

「スーパー爆弾低気圧」に伴う雲の三次元構造と地上における降水と気圧の分布(立正大学資料より)

 研究チームは、スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」上で雲の詳細を再現できる数値モデルを用いて、海洋上で発達する低気圧の詳細な構造をシミュレーションし、その結果を分析。降水の源である水蒸気が多量に凝結する際に生じる熱(凝結熱)が、大気を加熱して気圧低下をもたらし、低気圧の発達を加速させたことを確認した。
 さらに、降水の強まりの原因は、米国東岸の沖合を流れる暖流・メキシコ湾流が放出する熱と水蒸気であることを発見。つまり、メキシコ湾流からの活発な熱・水蒸気供給が、低気圧中心付近で多量の凝結熱の生成を促し、「スーパー爆弾低気圧」の急発達を導いていた。研究によって得られた知見は、今後、天気予報の改善や温暖化が爆弾低気圧へ与える影響の理解向上に貢献することが期待されるという。

 黒潮が流れる日本周辺でも「爆弾低気圧」が発生する。近年、わが国でも「爆弾低気圧」の通称はマスコミを通じて知られるようになったが、気象庁は「爆弾」という用語が不適切であるということから気象用語としては使用せず、「急速に発達する低気圧」と表現している。春に広い範囲に強風をもたらす日本海低気圧や北日本付近で急発達する低気圧,冬に日本の東や千島近海で急発達する低気圧などが、通称「爆弾低気圧」と呼ばれる。
 つまり、季節を問わず一定条件のもとで急速に発達し、暴風や高波、大雪をもたらすことから、対応の遅れなどで各地に甚大な被害をもたらすことがあるので、要注意だ。
>>立正大学:世界で初めて『スーパー爆弾低気圧』の発達要因を解明

〈2019. 09. 13. by Bosai Plus

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