消防ロボット「放水砲ロボット ウォーター・キャノン」(市原市資料より)

東日本大震災で爆発火災の市原市に
消防ロボット部隊 発足

ロボットが判断して行動する自律技術、ロボット相互に情報交換し活動する協調連携技術などを搭載 全国展開も

 千葉県市原市に去る5月24日、全国初のロボット消防部隊が発足した。市原市に新たに加わった消防部隊名は「スクラムフォース」。その名のとおり、消火活動にロボットを活用する部隊だ。

総務省消防庁は、東日本大震災での市原市でのLPG貯蔵施設の爆発火災や、姫路市の製造所での爆発火災の教訓を踏まえ、石油コンビナート等で特殊な災害が発生し、消防隊員が現場に近づけない状況において、災害の拡大抑制を行う消防ロボットシステムの研究開発を消防研究センターで進めてきた。

P6 1 消防ロボットシステムを搭載した車両 - 消防ロボットシステム『スクラムフォース』 市原市に初参!
4種のロボットが積載し、さらにスクラムフォースの中枢となる指令システムも積載する車両

「スクラムフォース」の発足式には、千葉県内各地の消防隊員など約400人が出席し、市原市の小出譲治市長は「エネルギー産業基盤が集積する市原市に全国で初めて配備された。市民の安心安全を守る消防機能を強化・充実させる最新鋭部隊の発足を心強く感じている」と期待を寄せた(千葉テレビより)。

このほど、実戦配備型の消防ロボットシステムが完成し、国の無償使用制度により、全国で初めて市原市に配備されたもの。

P6 2 4種の消防ロボット - 消防ロボットシステム『スクラムフォース』 市原市に初参!
「スクラムフォース」は、飛行型偵察・監視ロボット、走行型偵察・監視ロボット、放水砲ロボット、ホース延長ロボット及び指令システムで構成される。それぞれのロボットが自律的に活動し、収集したデータを指令システムが解析して消防隊員に最適な消防活動を提案する

 消防ロボットシステム「スクラムフォース」は、4台のロボット(飛行型偵察・監視ロボット、走行型偵察・監視ロボット、放水砲ロボット、ホース延長ロボット)、および指令システムで構成され、1 台の車両に積載されて出動する。大規模な火災や特殊な災害においてロボット自身が判断して 行動する自律技術、ロボットが相互に情報交換し活動する協調連携技術、耐放射熱技術が活用 されている。

 「スクラムフォース」の命名は、4台のロボットが「力(フォース)」を結集して「スクラム」を組み、ミッションを遂行する姿を表現したもの。消防ロボットシステムを構成する各ロボットの名称は、各ロボットの機能、役割を表現しており、飛行型偵察・監視ロボットは「スカイ・アイ」、走行型偵察・監視ロボットは「ランド・アイ」、放水砲ロボットは「ウォーター・キャノン」、ホース延長ロボット「タフ・リーラー」となっている。

 ロボット消防部隊「スクラムフォース」は今後、市原市消防局で運用しながら2年ほどをかけてさらに改良し、その後全国に配備される予定だ。

>>総務省消防庁:消防ロボットシステムの名称及びシンボルマークの公表

>>市原市:全国初! 最新鋭の消防部隊発足 その名もスクラムフォース!

〈2019. 06. 04. by Bosai Plus〉

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