近年、世界的に大規模な山火事が頻発している。山火事は、植生や土壌、動物や人間に多大な影響を与えるが、とくに山火事で排出される二酸化炭素や褐色炭素などの温室効果ガスは、気候変動を加速させる要因となる。同時に気候変動は、高温や乾燥、強風などの気象条件を増やすことで山火事のリスクをさらに高めている。山火事と気候変動は相互に影響しあう悪循環に陥っているのだ……


 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第58回総会が去る3月13日20日、インターラーケン(スイス連邦)で開催され、IPCC第6次評価報告書(AR6)統合報告書の「政策決定者向け要約(SPM)」が承認されるとともに、同報告書の本体が採択された……


 国連の専門機関、世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)が8月31日、報告書を発表し、1970~2019年の50年間で気候変動や異常気象、または水の危険に関連する災害などを背景に、干ばつや洪水といった気象災害が5倍に増えたと警告。この間に報告された1万1000件を超える気象災害で200万人以上が死亡し、経済的な損失は3兆6400億ドル(約400兆円)にのぼった……


 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、「第1作業部会」による地球温暖化の「自然科学的根拠」をまとめた「第6次評価報告書」を去る8月9日、公表した。IPCCの総合的報告書の公表は2014年以来7年ぶり6回目。報告書にはほかに、温暖化の影響や対応(適応策)を担う「第2作業部会」、温室効果ガスの削減策を担う「第3作業部会」の報告書があり、最後の「統合報告書」の公表は来年秋の予定……