災害時 物資・情報の“オアシス”
コンビニ・スタッフを防災士に!
災害対策基本法に基づく指定公共機関として地域インフラを守る。
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ローソングループ マチのライフラインとしての役割を果たす
「災害支援ローソン」1号店を千葉県富津市にオープン
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株式会社ローソン(東京都品川区)とKDDI株式会社(東京都港区)は、南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備えて、平時は顧客の買い物拠点、災害時は地域住民支援の拠点となる「災害支援ローソン」を、2030年度までに全国に100店舗設置することをめざす。
その1号店として、「ローソン富津(ふっつ)湊店」(千葉県富津市)を2月24日にリニューアルオープンした。
災害発生時には「災害情報の受発信」、「水・食料の供給」、「通信・電力の確保」などの機能で地域の支援を行うほか、通信復旧活動の拠点としての役割も担う。


同社では、災害対策への考え方や災害時の従業員と組織の行動基準を定めた災害対策マニュアルを策定しており、マニュアルには全従業員・全組織における災害レベルごとの人命を第一にした対策の対応ルールと手順を記載。また、ローソングループでは、年3回防災訓練を実施し、大規模な災害に備えているという。
防災訓練では人命第一の観点から、特に安否確認訓練を重視しており、大地震が発生したときに備えて導入している「安否確認システム」の運用確認を毎回実施することと合わせ、災害用伝言ダイヤル・メール・電話等複数の手段で安否を早期に確認できるよう取り組んでいる。さらに、安全な避難場所の確認手段として「インシデントマップ」(緊急避難場所検索ツール)を導入。店舗最寄りの避難場所がわかる地図を店舗に配布し、FC加盟店オーナーや店舗クルーが災害発生時に、速やかに避難場所に避難できるようにしている。
人命を第一に行動することについては、防災訓練だけでなく、過去の震災で被災したFC加盟店オーナーのメッセージを冊子や動画等で共有することで、全加盟店・全従業員へ啓発している。ローソンは2025年1月から、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)に加盟しているコンビニエンスストア各社とともに、南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模災害に備えるため、家庭備蓄(ローリングストック)の啓発キャンペーンにも参加している。

また、災害発生時に自治体と相互協力し、「マチのライフライン」としての機能を果たせるよう、物資供給や帰宅困難者支援(店舗を「災害時帰宅支援ステーション」として登録し、大規模災害時に帰宅困難者に対して、可能な範囲で水道水、トイレ、災害にまつわる情報提供を実施)に関する協定の締結をしている。
大規模な災害の発生時には全国のローソン、ナチュラルローソン、ローソンストア100、HMV、ローソン・ユナイテッドシネマ、成城石井を窓口とした全国的な店頭募金箱による募金活動を展開し、寄せられた善意は、各地の災害対策本部や日本赤十字社、国連WFP協会、中央共同募金会などを通じて被災者に届けられている。
このようにローソンは、「マチのライフライン」として大規模災害への備えを整えている。
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地域防災でコンビニは「災害時のオアシス」ともなり得る
地域インフラとしてのコンビニ――その脆弱性の解消へ連携努力を
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大手コンビニエンスストアは、地震や水害といった自然災害が発生した際に、災害対策基本法に基づく指定公共機関として、地域社会のライフラインとしての重要な役割を担っている。
東日本大震災や2024年能登半島地震などの大規模災害時にも、食料や飲料の供給、電源の提供、情報発信の拠点として機能した。そして近年、コンビニエンスストア各社は、地域防災のライフラインとして、デジタル技術を活用し、さらに災害対応力の向上を進めている。冒頭、ローソンを取り上げたが、他の大手でも災害対応を高度化させている。
セブン-イレブンは2015年に開発した災害対策システム「セブンVIEW」を活用、このシステムでは、ネット上の地図に店舗をアイコンで表示し、停電や回線障害、商品の在庫状況などをリアルタイムで把握できる。また、生成AIを導入し、過去のデータから必要な支援を予測する計画も進める。
ファミリーマートも、加盟店のタブレット端末やスマートフォンを通じて被害状況や安否確認を行うシステムを運用している。また、コンビニエンス各社は自治体との災害時応援協定締結を進めていて、帰宅困難者支援や物資調達支援を行う体制をつくっている。

このようにコンビニエンスストアは、食料品や飲料水、日用品など避難所で必要とされる多くの品目を取り扱っていて、停電時にも営業を継続し、被災地での救援物資供給・情報発信に貢献している。その意味で店舗は、「災害時のオアシス」ともなり得るだろう。
ただし、その災害対策には、次のような課題の改善も求められている。
① 電源・通信インフラの脆弱性:大規模な停電や通信障害には対応困難
② 従業員の被災と店舗運営
③ 物流の寸断:道路の損壊などにより物流ルートが寸断。地域の孤立化
④ 情報共有と標準化:事業者間の情報共有プラットフォームの構築
これらの課題に対し、コンビニエンスストアは地域インフラとしての役割を十分に果たすため、デジタル技術のさらなる活用に加えて、官民連携のさらなる強化が期待されている。本紙からも今後の課題として、店舗スタッフの防災士資格取得を提案しておこう。
〈2026. 03. 11. by Bosai Plus〉

