被災した地域でこその“リアリティある防災学習”と、
“暮らしの中に入り込む交流体験”と
東日本大震災の被災地・岩手県陸前高田市で若者と地域の協働事業を展開する認定特定非営利活動法人SET（岩手県陸前高田市、理事長：三井俊介）は、2025年度の民泊受け入れの実績をとりまとめ、公表した。
それによると、2025年度は300名規模の民泊修学旅行の受け入れを実施、春・秋・長期休暇の合計で延べ2884名が陸前高田を訪問した。
SETの「防災学習民泊」は、三陸沿岸で「300名規模の修学旅行生の民泊体制」を維持し、被災した地域だからこそできる“リアリティある防災学習”と、“暮らしの中に入り込む交流体験”を組み合わせた全国でも類を見ないプログラムとして、学校・教育関係者から高い評価を得ている。
■ 実績のポイント（2025年度）
- 全国でも稀な“300名規模”の修学旅行受入を複数回実施
春：5校 758名（延べ1335名）、秋：4校 746名（延べ1285名） - 年間延べ 2884名が陸前高田に滞在（修学旅行民泊＋グループ民泊）
- 約100家庭が受け入れに参加し、地域全体で運営を支える体制を確立
- 経済効果は 1千813万6500円が地域内で循環
市内23の事業者が参画する「民泊クーポン」により、受入家庭と地域事業者の双方に消費を促す仕組みを導入 - 生徒満足度は春9.1点、秋9.3点（10点満点）と極めて高い評価
■ 陸前高田民泊の強み
① 震災を経験した地域だからこそできる“リアリティのある防災学習”
単なる座学ではなく――○住民自身による震災体験の語り部、○避難の判断・命を守る行動、○備えの重要性――などを、“実際の被災地域の暮らしの中で”学ぶ。
生徒の声には、 「逃げることの大切さを初めて実感した」、「震災の“重さ”と同時に“希望”を感じた」という言葉が多く並んだ。
② 300名規模の修学旅行生を“地域の家庭で”受け入れる全国でも稀有な体制
陸前高田では100家庭規模の受入ネットワークが整い、三陸沿岸で数少ない、“300名規模を一度に受け入れられる修学旅行民泊”を実現
③ 「田舎暮らし×交流×学び」が一体化した“暮らしの中の教育”
自然豊かな環境での生活体験、地域住民との交流、家庭料理づくり、畑作業、星空観察など、都市部では得難い体験が満載
〈2025. 12. 08. by Bosai Plus〉