P1 Green Destinations 2025「TOP100」に選出された高知県黒潮町の遠望 640x350 - 旅して学ぶ防災=「防災ツーリズム」

観光→光(文化)を観る→防災を観る
旅して学ぶ防災と震災復興への道程

「Thriving Communities(活気あるコミュニティ)」=黒潮町
/「大人の社会科見学ツアー®」

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黒潮町の「防災ツーリズム」が国際的にも高い評価を得た
『日本一危ない町』(想定津波高 34m)をプラスイメージに転換
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 世界の持続可能な観光地を表彰する国際認証機関「Green Destinations」(本部:オランダ)が、2025年版「世界の持続可能な観光地 TOP100」で、6つのカテゴリーで世界の100地域を選出した。そのうちのカテゴリー「Thriving Communities(活気あるコミュニティ)」部門で、高知県黒潮町の防災文化と津波避難タワーなどの防災視察を観光資源化し、周辺の周遊と組み合わせた「防災ツーリズム」を高く評価し、TOP100の1地域に選出した。
 黒潮町は受賞ロゴマークの活用や「Green Destinations」のホームページ掲載を通じて、国際的な観光アピールができる。

P1 Green Destinations 2025「TOP100」に選出された高知県黒潮町の遠望 - 旅して学ぶ防災=「防災ツーリズム」
オランダ本部の環境保護団体Green Destinations「2025世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出された高知県黒潮町の遠望(黒潮町HPより)

 ちなみに6つのカテゴリーは、①観光地管理、②自然と景観、③環境と気候、④伝統と文化、⑤活気あるコミュニティ、⑥ビジネスとマーケティングで、今年は日本から19地域が応募し、10地域が選出されている。四国からは黒潮町のほか、香川県の丸亀市と三豊市も選ばれた。高知県内の自治体の選出は初めて。

高知県黒潮町:高知県初! 国際認証Green Destinations2025「TOP100」に選出

Green Destinations:TOP100 グッドプラクティス・ストーリー概要

 「Green Destinations」の「2025 TOP100 グッドプラクティス・ストーリー概要」の選定根拠によると、黒潮町は「『日本一危ない町』(南海トラフ巨大地震被害想定で津波高が最大34m)から『先進的な防災に取り組む町』へ、風評被害による震災前過疎にあらがい、町と事業者と住民が連携し、自分事として対策や防災教育を推進。『犠牲者ゼロ・避難放棄者ゼロ』を目標に、津波避難設備などのハード事業のほか、絶望からの意識改革や防災教育などのソフト事業の取組みを重ねた。

 この成果として防災が暮らし、町独自の防災文化として定着。これを新たな地域資源とし、防災ツーリズムを構築した。県内外からの視察観光などの受入れで、関係人口の拡大や経済波及効果をもたらし、『日本一危ない町』からプラスイメージに転換、地域の未来を切り開く挑戦がいまも続いている――」としている。

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クラブツーリズムの「大人の社会科見学ツアー®」
「これからの防災と震災復興への道のり 旅して学ぶ能登半島」
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image No.365 P1 2 - 旅して学ぶ防災=「防災ツーリズム」
白米千枚田(しろよねせんまいだ)工区道路の復旧箇所(KNT-CT資料より)/左上組み込み写真は震災前の白米千枚田(Wikipediaより)

 ひるがえって、クラブツーリズム株式会社(東京都江東区)はこのほど、石川県と連携した「大人の社会科見学ツアー®:これからの防災と震災復興への道のり/旅して学ぶ能登半島」の販売を開始(10月29日より)している。

 クラブツーリズムはこれまでも、2024年1月の能登半島地震で震災に見舞われた能登半島を旅を通じて応援するべく、語り部ガイド付き「のと鉄道」乗車を組み込んだツアーや、小学生とその保護者を対象とする「能登で震災を学ぶ旅」を企画販売してきた。
 震災から1年10カ月が経過したいま、より多くの人びとに、能登を巡りながら被災地の現状や復興の過程を学んでもらうことが重要という思いから、クラブツーリズム、石川県、国土交通省 能登復興事務所が連携し、能登の観光地に加え復興箇所を巡る「これからの防災と震災復興への道のり 旅して学ぶ能登半島 3日間」の企画・販売となったとしている。
 同ツアー催行期間は、2026年1月〜3月。旅行代金は大人:69,900円〜84,900円

<ツアーの学びポイント>
① 寺社を中心とした地域復興について学ぶ【曹洞宗大本山總持寺祖院】
 僧侶による案内付きで被災した様々な国登録有形文化財を見学
② 自然の力と共存すること【白米千枚田工区道路の復旧箇所】
 地震により隆起した海岸に新たに整備した道を観光バスで走行。国土交通省能登復興事務所職員による復旧の対応解説付き
③ 能登の風景と列車がつなぐ人々と復興
 のと鉄道「語り部観光列車・のと里山里海号」に乗車。震災を体験した「語り部ガイド」から震災当日の状況や復興の現状の講話
④ 能登空港で学ぶ生きた防災【能登空港】
 一般には非公開の能登空港内の防災・備蓄倉庫などを見学、空港職員の解説
⑤ 海と暮らす地域の復興に向けた取り組み
 石川県職員の特別解説付きで和倉温泉護岸の復旧箇所を見学

クラブツーリズム:これからの防災と震災復興への道のり 旅して学ぶ能登半島 3日間

 クラブツーリズムの親会社・KNT-CTホールディングスについては、傘下の近畿日本ツーリスト70周年記念事業としての「廃校を活用した防災事業」を本紙 2025年8月28日付けで取り上げた。「廃校」を「防災」と結びつけ、地域の企業・学校・自治会などを対象とした「避難生活疑似体験プログラム」を開発したもの。下記リンクを参照のこと。

本紙 2025年8月28日付け:KNT-CTの「廃校を活用した防災事業」

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観光→光(文化)を観る→防災を観る
『防災観光地』、『震災伝承施設』…防災ツーリズム活用で被災地支援
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 本紙はまた、本年2月4日付けで「観光x防災=『防災観光地』 防災施設への旅」を取り上げ、「観光→光(文化)を観る→防災を観る」のテーマを訴求しているので参考に供したい。

P2 2 石巻市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)をあしらった「防災観光地」ポスターより - 旅して学ぶ防災=「防災ツーリズム」
宮城県石巻市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)をあしらった「防災観光地」ポスターより
P2 3 津波避難複合施設「Terrasse Orange toi」 - 旅して学ぶ防災=「防災ツーリズム」
静岡県伊豆市西側の土肥(とい)海岸(松原公園)に、日本で初めてとなる津波避難複合施設「Terrasse Orange toi」(テラッセ・オレンジ・トイ)が2024年7月にオープン
P2 4 「ガイドと一緒に歩く南三陸オンラインスタディツアー」 より - 旅して学ぶ防災=「防災ツーリズム」
宮城県・南三陸町観光協会は、東日本大震災及び”現在の南三陸町”についてリアルタイムで伝えるオンラインプログラム「ガイドと一緒に歩く南三陸オンラインスタディツアー」を“催行”

本紙:2025年2月4日付け: 観光x防災=「防災観光地」防災施設への旅

(参考)グッドマンサービス:「Evacuation Siteseeing 防災観光地」

(参考)3.11 伝承ロード:東日本大震災:震災伝承施設 一覧

〈2025. 11. 04. by Bosai Plus

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