防災月間に食育や防災体験を開催
こどもたちが 自ら考え行動する「生きる力」を育む
*編集部注:「こども」の表記はテーマに合わせて「こども」としています(本紙表記は通常「子ども」)。
■ なぜいま、こども向けの防災教育が必要なのか
ファミリーマートは、店頭募金「夢の掛け橋募金」などを通じて1993年から30年以上にわたって活動を支援している公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(略称「SCJ」。以下「セーブ・ザ・チルドレン」)と、包括的なこども支援で連携を続けている。
その一環として、昨年に引き続き「9月の防災月間」に合わせ、こども向け防災ワークショップを取り入れた「ファミマこども食堂+セーブ・ザ・チルドレン」を、ファミリーマート本木東町店(東京都足立区)で9月26日に協働で実施した。

多発する自然災害への備えが急務となるいっぽう、保護者の約4割が「こどもの防災意識は低い」と認識するなど(学習塾調査)、家庭や学校だけでは防災教育が十分に行き届いていないのが現状だ。
実際に2024年能登半島地震を経験したこどもたちからは、「もっと備える必要があると思った」という切実な声も届いている(セーブ・ザ・チルドレン「2024年能登半島地震子どもアンケート〜震災から半年 いま伝えたい子どもたちの声〜」より)。
災害時、こどもは心身ともに特有の困難に直面するため、知識の詰め込みではない、自ら考え行動する「生きる力」を育む実践的な教育が不可欠。「ファミマこども食堂+セーブ・ザ・チルドレン」は、この喫緊の社会的課題に対し、継続して、こどもたちの安全意識を育む取り組みを続けている。
ファミリーマート:「ファミマこども食堂+セーブ・ザ・チルドレン」
■ 新聞紙がお椀に変身! 「工夫する力」で乗り越える防災ワークショップ
「ファミマこども食堂+セーブ・ザ・チルドレン」開催当日は、同店近隣の家族、こどもをはじめ計14名が参加。ワークショップでは、まずセーブ・ザ・チルドレンのスタッフと一緒に、大きな非常用持ち出し袋の中身を確認。
「これはなにに使うんだろう?」と、ひとつひとつ手に取りながら、災害時に自分や家族の身を守るための道具について学んだ。さらに、店内の商品を見て、「これもあるとうれしいかも!」と、こどもたち自身で必要なものを考える時間も設けた。

身近なもので工夫する体験として、昨年好評だった新聞紙のコップ作りを発展させ、今年は新聞紙で「お椀」作りに挑戦。完成したお椀に盛り付けたのは「ファミチキ」。
災害時でも、工夫次第で温かくおいしい食事ができることを、楽しみながら体験できた。
■ こどもたちが大活躍した「お仕事体験」と交流会
防災ワークショップで学んだ後は、ファミリーマートでの仕事を体験する時間。こどもたちは少し緊張した面持ちでレジの前に立ち、「ピッ!」とバーコードを読み取る音に歓声をあげた。普段は見られない店の裏側を探検したり、商品を一生懸命に補充したり、ひとつひとつの体験が、こどもたちにとって新鮮な発見に満ちた時間となった様子だった。
最後は、店舗のイートインスペースを活用した「お食事会」で交流を深めた。参加者みんなでテーブルを囲み、今日の体験を語り合いながら、なごやかな時間を過ごした。

セーブ・ザ・チルドレンのスタッフは、「セーブ・ザ・チルドレンは、こどもたちの声を聴き、こどもたち自身が考え、課題解決に主体的にかかわるアプローチを大切にしています。今回の防災ワークショップは、ファミリーマートの店舗という実際の売り場で、子どもたちが自ら足りないもの・必要なものを考え、選び、それを選んだ理由を発表するという一連のアクションを通じて、机上ではなく実地の訓練になり、防災を「自分ゴト」として捉えるきっかけになったのではないかと。子どもたちからの自由でユニークな発想は、大人にとっても、子どもの声に耳を傾けることの大切さの気づきにもなりました」としている。

参加した親からは、「防災ワークショップで非常用持ち出し袋になにを入れたらよいか、こどもが自分なりに一所懸命考えていたことがよかった」、「数々のこども食堂に参加していますが、美味しい、体験できる、勉強になるこども食堂は初めて」などの声が聞かれた。
〈2025. 10. 16. by Bosai Plus〉