広島県・鳥取県共同運用型防災情報システムの受賞は
防災DXの新たな形として今後の標準となる可能性
「広島県・鳥取県共同運用型防災情報システム」が、県境を越えた防災支援を可能にする日本初の共同運用プラットフォームとして高く評価され、2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した。

デザインのポイントは、複数県が共同運用できる防災情報システムを構築し、災害支援における自治体間の協力・連携を円滑にしたこと。そして、防災情報に最適なデザインと柔軟なパーソナライズ性により、防災職員の情報収集と意思決定を迅速化したこと、さらに、防災に詳しくないユーザを意識した公開サイトの導線を設計し、住民の避難行動につながる情報発信を行えるようにしたこと――同システムのデザインは、広島県総務局県庁情報システム担当と、日本IBMコンサルティング事業本部官公庁事業部およびIBM iX(インタラクティブ・エクスペリエンス)部門が中心となって協働し手がけた。
グッドデザイン賞審査委員による評価コメントは次のようだ――「複数県が共同で運用できる防災情報システムを構築し、災害支援における自治体間の協力と連携を円滑にした点が評価された。日本は自然災害が多発する国であり、防災対策は喫緊の課題だが、各県のシステムは県を跨いだ共有がむずかしいという課題があった。本取組は日本初の共同運用型システムであり、防災DX(デジタル・トランスフォーメーション)の新たな形として今後の標準となる可能性を秘めている。防災情報に最適化したデザインと柔軟なパーソナライズにより、誰でも使いやすく、住民の避難行動を促すようデザインされている」


「グッドデザイン賞」とは、1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されている。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く知られている。
日本デザイン振興会:「広島県・鳥取県共同運用型防災情報システム」初の「グッドデザイン賞」
〈2025. 11. 06. by Bosai Plus〉
