P5 3 伝承人材確保の見通し 1 - 3.11メモリアルネットワーク<br> 続・震災伝承の課題

アンケート調査結果
伝承団体の96%が「継続の不安」を抱えるが、
「語り部」の寄与を確認

 震災伝承活動の支援を行う公益社団法人3.11メモリアルネットワークは、東日本大震災の伝承活動の現状と課題の共有、防災・減災活動の活性化を目的に、2017年から毎年アンケート調査を行っている。
 本紙は2024年7月1日号(No. 333)で、「震災伝承団体の『継続不安』を考える」と題して、3.11メモリアルネットワークによる「2023年 東日本大震災 震災伝承調査 第2弾」結果公開を紹介した。

WEB防災情報新聞(2024年7月1日付け):震災伝承団体の「継続不安」を考える

P5 1 復興庁、るるぶ「伝承施設ガイド」より 1 - 3.11メモリアルネットワーク<br> 続・震災伝承の課題
復興庁刊、るるぶ編「伝承施設ガイド」より

 このほど(2025年8月11日)、同ネットワークが岩手・宮城・福島における震災学習プログラム実施団体・25団体、震災伝承施設・26施設運営組織から回答を得た「2024年東日本大震災伝承活動調査」の集計結果を速報公開した。

 2024年の第1弾「来訪数調査」により、「東北の伝承団体・伝承施設への全体来訪の減少への転化」が確認され、また、地震・津波被災地域での復興事業が収束に向かういっぽうで、防災庁設置準備の議論では防災の「行動変容」に言及されるなど、発災から14年で様々な環境の変化が見られている。同第2弾では、9つの大設問からなるアンケートを実施し、岩手・宮城・福島の25の伝承団体と26の伝承施設運営組織の協力を得ている。

 同ネットワークでは、発災15年を迎える東北被災地での伝承の取組みの現状を把握し、次世代への伝承に向けた持続性を高めてゆくための基礎資料としてほしいとしている。

▼2024年伝承調査速報の一例:「継続の不安」と「防災意識・行動変化への語り部の寄与」

 震災伝承団体の「継続性の不安」は96%であり、「語り部」の防災への寄与の認識に対して、その活動継続は見通せていないのが現状。いっぽうで、「来訪者の意識や行動を変えるために、東日本大震災の語り部は寄与できると思われますか?」との設問には「とてもそう思う」または「どちらかというとそう思う」との回答が100%。

P5 2 「震災伝承の「成果」を測るための指標 1 - 3.11メモリアルネットワーク<br> 続・震災伝承の課題
調査結果より「震災伝承の「成果」を測るための指標」
P5 3 伝承人材確保の見通し 1 - 3.11メモリアルネットワーク<br> 続・震災伝承の課題
調査結果より「伝承人材確保の見通し」

 ほかに、「震災伝承の「成果」を測るための指標」への回答結果では合計回答数の最多が「伝承団体や施設への来訪者数」で、最小が「復興庁教訓継承サイトの普及開発コンテンツ数」。「2026年度以降の伝承人材確保の見通しについて」への回答結果では、伝承団体の過半数は1年後の人材見通しが「余り見通しがついていない」、「全く見通しがついていない」、「わからない」の回答であった。
 さらに詳細については下記リンク参照のこと。

3.11メモリアルネットワーク:2024年東日本大震災伝承活動調査第2弾(速報)

〈2025. 08. 17. by Bosai Plus

コメントを残す