「場所(避難所)の支援」から「人(避難者等)の支援」へ

 令和6年能登半島地震の教訓を踏まえ、防災対策の強化や支援体制の充実につなげる改正災害対策基本法、改正災害救助法が成立した。
 災害対応の司令塔を担う「防災監」の新設や、「自治体の物資備蓄状況の公表義務」、「被災者支援を行う団体の登録制度」、「災害救助法の救助の種類に『福祉サービスの提供』を追加」、「物資供給や被災者情報把握にあたってのデジタルツール活用の努力義務等『防災DX』の推進」創設などを柱としている。

 「防災監」は次官級ポストで内閣府に設置、国の災害対応全般を統括し、自治体との調整役を担う。「登録制度」は、国の登録を受けたNPOやボランティア団体が、災害時に知事らの要請に基づき、避難所運営や炊き出しなどに当たる。災害時の団体連携が迅速になるほか、自治体側も支援受入れが容易になることが期待される。

 中央防災会議「令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応の在り方」(2024年11月)で被災後も人の生命と尊厳が守られるべきであるとし、「場所(避難所)の支援」から「人(避難者等)の支援」へという理念が示され、今回の法改正でこれらの提言の一部が取り込まれている。

P3 4 災害対策基本法の一部を改正する法律案の概要(内閣府資料より) - 災害対策基本法、<br>災害救助法の一部改正
災害対策基本法の一部を改正する法律案の概要より

内閣府(防災担当):災害対策基本法の一部を改正する法律案の概要

〈2025. 06. 16. by Bosai Plus

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