「阪神淡路大震災1.17のつどい(HPより)

周年に教訓の厚みを増やし 次世代に継承

大災害が毎年起こる状況、その風化と“ひとごと化”に対峙する

【 防災”ギアチェンジ”の象徴としての「防災士(制度)」 】

● 公的機関が助成する民間資格、
  防災”ギアチェンジ”の象徴としての「防災士(制度)」

 『周年』を刻み、記憶するのは、残された私たちの思いによる。災害周年は、犠牲者への追悼の念を新たにするのと同時に、その災害から教訓を汲みとり、次世代・後世へ伝えるという真摯な思いを刻む区切りである。『災害周年』はその意味で単なる節目ではないし、ましてや周年過ぎて忘却のかなたへ……はあってはならない。『周年』を経るごとに、教訓はさらに厚みを増して、次世代に継承されるべきなのだ。
 阪神・淡路大震災、そして東日本大震災は、わが国・国民の自然災害への向き合い方について、画期的なギアチェンジ・意識改革を迫り、さらに近年の連続する災害はさらにその”進化・深化”を促している。災害周年はその意味でも、周年を迎えるごとに、ますます重みを増すとも言えるのだ。

神戸市による震災写真オープンデータサイト「阪神・淡路大震災『1.17の記録』」より、鷹取商店街周辺(長田区/1995年1月18日)。同サイトでは阪神・淡路大震災の発災直後や復旧・復興の様子など約1000枚の記録写真が閲覧でき、規約に従った二次利用も可能だ
日本防災士機構HPより「防災士認証登録者の推移」。左・縦軸は「人」、下・横軸は「年度」。防災士養成研修と資格取得試験は2003年から始まった。近年の災害多発を反映して関 心が高まり受験者・認証登録者が急増している。同HPでは、各年度グラフの上にマウスポインタを置くと男女各累計が表示される)

 阪神・淡路大震災を契機として”進化・深化”を成し遂げた防災・減災への国民運動的な”志”を象徴する制度がある。それは「防災士(防災士制度)」である。  防災士制度は、阪神・淡路大震災のボランティアに啓示を受けたひと握りの篤志家たちの一意専心の志の萌芽として、2003年10月に、防災士認証者数216名をもって誕生した。それから17年、全国の防災士認証者数は累計で優に18万5000人(2919年12月末現在、18万5249人)を超え、20万人が目前となっている。

 民間資格で、なおかつ地域で防災・減災活動を志す人たちを募り、全国標準的に認証するという防災活動家の資格制度の創設は、当時、無謀とも思えた。ところが、その後のわが国での自然災害の常襲化を背景に、防災士養成研修機関は当初の防災士研修センターなど3民間法人から、いまや公的機関が次つぎと参入する状況となり、直近の資料では、25都道府県、38市町村等、33大学等教育機関等(8国立大学を含む)が名を連ねるまでに至っている(日本防災士機構資料「防災士養成研修実施機関一覧 2019年度予定」より)。

 一般的には、民間資格の取得を公的機関が助成するケースは稀である。しかし、とくに防災士については、国(総務省消防庁など)も地域防災で連携すべき民間の資格取得者として認めつつあり、自治体は地方防災計画や地区防災計画の策定において、防災士の存在が欠かせない”専門知識を持つ地域防災の実践者”になりつつある。

 本紙にたびたび寄稿していただく齋藤徳美・岩手大学名誉教授の持論は、「一町内(集落)に一防災士を育成し、自主防災組織などを主に日常から地域の特性を理解する活動を支援するなど、国や自治体はお題目をとなえるばかりでなく、息の長い具体的な取組みに力を入れるべき」とする。
 日本防災士機構は防災士制度の創設時、目標として「全国に30万の防災士を」と唱えていたが、その実現は意外に早まりそうだ。

>>日本防災士機構

〈2020. 01. 17. by Bosai Plus

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です